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第26回東北支部教育研修会報告

2019年9月

宮城県歯科医師会館で日本臨床歯周病学会第26回東北支部教育研修会が令和元年9月1日10時から93名の参加者のもと開催されました。午前中は2名による会員発表があり、はじめに山形県開業の五十嵐亮先生は「Hydraulic Lifterを用いCrestal Approachのインプラント治療と術後経過」という演題で発表しました。インプラント治療において術前の口腔内の衛生管理や歯周基本治療の重要性を強調され、インプラント周囲における必要な骨量、角化粘膜の診査診断は治療前に適切に行い、患者への十分な説明と理解が必要であるとお話をされました。次に宮城県開業の岡山啓昌先生は「垂直性骨吸収を伴う中等症慢性歯周炎患者の1症例」という演題で発表しました。歯周外科処置時には、エックス線写真から読み取れないことや非外科処置を困難にする解剖学的形態の要素を呈したため留意が必要であったということ、そしてメインテナンス時には、歯周組織の状態やその形態を考慮し、咬合のチェックを欠かさず行い、咬合性外傷の再発に注意して経過を診ることが大切であるとお話をされました。

午前中の会員発表の次に日本臨床歯周病学会副理事長の江澤庸博先生より「歯周治療における歯周外科から再生療法までの位置づけ」の演題で教育講演をして頂きました。前半のお話は、歯周治療において歯周外科や再生療法がどのような理論的、技術的背景から現在のように変遷してきたかのお話でした。そしてそれぞれの治療法をどう選択して、そのエビデンスを文献と症例から明確にし、良い臨床結果を得るための方法を大変わかりやすく解説して頂きました。

午後は東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野教授の山田聡先生より「歯周組織再生治療の最前線」の演題で特別講演をして頂きました。山田聡先生は世界初の歯周組織再生治療薬のリグロス(FGF-2)の開発・承認に関係されその経験から、その作用機序に関わる基礎研究や臨床治験の詳細についてお話をされました。再生医学・再生医療における組織再生の生物学的原理と現状のお話を大変わかりやすくお話を頂きました。丁寧に診査診断し治療された症例の会員発表、歯周治療における歴史的背景と基本的な要点を解説していただいた教育講演、そして歯周再生医療の最新情報の特別講演と大変有意義な研修会でありました。以上東北支部活動報告とします。

(文責:東北支部広報担当 柏﨑 潤)

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