一橋大学一橋講堂において日本臨床歯周病学会第80回関東支部教育研修会および第28回歯科衛生士セミナーがシンポジウム『歯周病患者との向き合い方』と特別講演『歯周病の基礎と臨床』をテーマに開催されました。
シンポジウムでは若林健史氏をコーディネーターに、最初に「歯周病症例の難易度の見分け方」と題して斎田寛之氏が登壇。個体差に着目し、罹患度や進行性、回復力からどのように患者へアプローチしていくか解説しました。続いて「歯周治療の可能性」と題して片山奈美氏が登壇。問診により患者の背景を知った上で、患者のプラークコントロールへの認識を「無関心」、「無知」、「不器用」、「癖」、「ほぼ完璧」にわけ、それぞれへのアプローチを解説しました。次に「重度歯周病患者への対応」と題して鎌田征之氏が登壇。重度歯周炎患者に欠損歯列のケースが多いことから、歯周病治療を行う上で1次固定2次固定それぞれの利点、欠点などをふまえ欠損補綴について解説しました。四人目に「歯周病患者における力の見分け方」と題して大八木孝昌氏が登壇。歯周組織に力として加わると考えられる因子を口腔外圧、口腔周囲筋からの力にわけて解説しました。最後に「歯周病患者におけるSPT」と題して稲垣伸彦氏が登壇。臨床経験に基づくSPTについて、個々の患者に合わせた対応を長期予後とともに解説しました。
特別講演においては、日本大学松戸歯学部歯周治療学講座教授の小方頼昌氏による歯周病の基礎と臨床をテーマに、最新の再生療法に関する基礎研究と実際に臨床応用した症例を用い、基礎と臨床の接点について講演が行われました。
以上、関東支部活動報告とします。
(文責:関東支部広報担当 若松尚吾)