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九州支部 活動報告

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九州支部、第一回研修会

2017年11月

平成29年11月19日(日)、アクロス福岡で日本歯周病学会九州五大学・日本臨床歯周病学会合同研修会が行われた。

まずは、前日の18日に、今回の研修会講師(原宜興先生、宮前守寛先生、平井友成先生)や発表者、九州五大学の教授や医局員と、臨床歯周病学会の役員や会員の総勢114人で「お手軽割烹 三四郎」にて、共に魚料理に舌鼓を打ち、大いに親睦を深めた。

日曜日は9時から、福岡歯科大学、坂上教授のご挨拶で開会した。午前中は、歯周病学会九州五大学から5題、臨床歯周病学会から5題の一般講演があった。5大学からは免疫、再生療法あるいは全身と歯周疾患との関連について、基礎臨床歯学的な発表であった。5大学の研究レベルの高さを垣間見ることができた。臨床歯周病学会からは若手を中心として、症例報告があった。難症例をしっかりと治療していることが印象的であった。基礎と臨床を学ぶ良い機会となった。

衛生士会場では、4題の一般講演と、歯科衛生士特別講演が行われた。熊本震災等の災害時の歯科衛生士の活動報告や歯周治療、インプラント治療に歯科衛生士として積極的に取り組んでいる姿が感動的であった。会場は立ち見が出るほどの盛況であり、中には“子連れ”の参加もあり、この会場ならではの和やかさと真剣さを感じることができた。

「歯周基本治療で本当に大切なこと」と題した、福岡市開業の平井先生の衛生士特別講演は、スケーリング・ルートプレーニングやシャープニングなどのテクニカルな面の他に、「歯科医師がどのような事項に考慮して、歯周治療に取り組んでいるのか」を歯科衛生士が良く理解できる内容であった。最後に、歯科衛生士に求めることは「患者さんとの信頼関係の構築である」と締めくくった。

お昼にはポスター発表があり、歯科医師9題、歯科衛生士4題があり、本セクションもあふれんばかりの人だかりで活況を呈し、活発な討論が行われた。

午後は、九州の歯周治療を長きに亘って牽引され、今春長崎大学教授を退官された原先生に「臨床のギモンを研究で解く ~大学人をおえるにあたり~」と題した特別講演を頂いた。歯周病原菌における感作がポケットの形成、長い接合上皮性付着やインプラントと周囲組織の付着の脆弱性を引き起こしていることを一連の動物実験で解明していた。基礎研究によって、我々の日常臨床における疑問が解消され、基礎と臨床をつなぐ有意義な内容であった。

最後は大阪で御開業の、宮前先生に「永続性を求めたComprehensive treatment」というタイトルで教育講演をして頂いた。歯周治療後の永続性を求めるためには、歯周組織の評価と同時に、顎位の評価や治療計画を立てることの重要性を痛感する、素晴らしい長期症例の数々であった。

参加の364人にとって、各々の診療に持ち帰るものの多い1日であったと思われる。次回は来年3月4日にパピヨン24ガスホールにて支部教育研修会が予定されている。

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