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九州支部 活動報告

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第一回支部研修会

2018年11月

平成30年度日本歯周病学会九州五大学・日本臨床歯周病学会九州支部合同研修会が11月11日(日)に福岡市アクロス福岡で開催された。本会は、お互いに歯周治療に携わっている九州五大学の歯周病学講座と日本臨床歯周病学会九州支部会の会員が情報交換をする場として、毎年秋に行われている。学術をベースとした大学人と臨床を主体とした開業医が、胸襟を開き顔の見える関係を作りながら、歯周治療学の発展を目指している。

本年は、九州歯科大学口腔機能学講座・歯周病学分野(中島啓介教授)と当会九州支部会(中富研介支部長)の共同主管で行われた(図1,2)

前日の懇親会がホテルオークラ福岡にて和やかに行われた(図3)。102人もの大勢の参加者が集まり、1年ぶりの再会を祝す姿、大学の若い先生方のキラキラした姿、日頃の臨床をディスカッションする姿が見られた。新人入局員から、ベテラン開業医、大学教職員、が入り交じって懇談する姿は、本会ならではだろう。今年からは、九州五大学が、スライドを使った講座紹介を行った。私たち開業医にとって、それぞれの講座を知ることによって、身近に感じることができるようになった。

日曜日は、9時から五大学が研究を主体とした発表を行った。抗菌ペプチドに対する薬剤耐性、炎症と糖尿病、歯石成分による細胞死のメカニズム、あるいは咬合性外傷のメカニズムなどを解明するために、分子生物学的、細胞生物学的あるいは動物実験的手法で研究されていた(図4)。各大学の研究のユニークさやレベルの高さを知ることができた。バングラデシュからの留学生である長崎大学のZiauddin先生の発表は、今後の本会の国際化を予想するものであった(図5)。

臨床歯周病学会からは、若手からベテランまでが、レベルの高い症例報告を行った(図6)。臨床歯周病学会九州支部会の先生の症例発表に対して,大学教授がアドバイスする場面も多々あり、本会の臨学一体の素晴らしさを見ることができた(図7)。

衛生士会場では3題の一般口演が行われた。120名近くが参加し盛会であった(図8)。そのうち2演題は10年を超える長期症例を確りとコントロールしているもので,歯科衛生士による歯周病管理の大切さを実感するものであった。その後,芳賀剛先生による歯科衛生士特別講演が行われた(図9)。それぞれの患者で歯周病になるリスクが違うことを認識し,それぞれの患者に合った歯周治療を行う大切さをわかりやすく講演された。

午後からは,ポスターセッション会場で9題の発表があった(図10)。5大学から主に研究の発表が,臨歯周会員からは臨床発表が行われた。口演とは違い,細かい実験手法や臨床手技等のフランクなディスカッションが活発に行われた。

また,長崎大学歯学部歯内歯周病学分野の教授に就任された吉村篤利先生が「歯石の為害性」について講演された(図11)。歯周病における自然免疫のメカニズムあるいは,歯石の中のLPSやハイドロキシアパタイトによる為害作用について,積み上げられた基礎データをもとに講演された。最後に鹿児島大学の白方良典先生が「歯周再生療法の予知性の向上」について,先生ご自身の論文を含む多くのエビデンスをもとに教育講演をされた(図12)。再生療法の成績を向上させるためには,創傷治癒のメカニズムをよく理解し,手技,薬剤を選択する必要性がよく理解できた。

参加者347人にとって有意義であり,今後の歯周治療の発展に本会が重要な役割を果たしていくことを予感させる1日であった。

次回の第二回九州支部教育研修会は、平成31年3月3日に福岡市パピヨン24ガスホールにて開催される予定である。

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