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第36回年次大会のご報告

2019年1月

『特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会第36回年次大会 報告』

中国四国支部 岩田光弘

去る平成30年7月7日,8日に,浦野智理事長,鈴川雅彦大会長のもと,広島国際会議場において特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会第36回年次大会が開催されました.開催の前々日からの悪天候がさらに激しくなり,開催当日は未曾有の大豪雨となり,新幹線は運休し,高速道路も閉鎖されるなど,陸・空の交通網は完全に遮断されました.そのような中,開催前日早くから広島に到着していた会員は会員発表が可能でしたが,多くの予定された会員発表は発表者が到着できず,7日の午前中のセッションは中止を余儀なくされました.学会は午後からの開催としましたが,午後からのセッションの講演者も3名しか学会に到着できず,プログラムを変更する必要がありました.このため,前半は歯科衛生士も含めた会員発表とInternational Sessionを行い,後半は講演可能な講師の先生方で,歯科医師・歯科衛生士の合同セッションとして講演を行っていただきました.翌日までには新幹線は回復し,前日講演ができなかった講師の先生にも参加していただき,再度セッションを組み直し,メインテーマの部分に関しては,ほぼ講演を行っていただけました.

今大会のメインテーマは「炎症と慢性疾患〜私たちは全身の健康を維持できるのか?〜」であり,全国各地の歯学部や医学部教授,内科医,看護師,歯科衛生士など,講演者を幅広く設定し,各々の専門家に,全身疾患と歯周炎との関連性の最新のトピックを解説していただきました.糖尿病をはじめ,腎疾患,非アルコール性脂肪肝,関節リウマチと歯周炎との関係や,歯周病原細菌と腸内細菌との関係,周術期口腔機能管理がいかに他科領域の術後に好影響を与えるかなどを,最先端の実験動物を用いたデータから,医療保険導入に至るいきさつなど,非常に多岐にわたる講演を行っていただきました.講師の先生によってはユーモアもまじえた内容で会場をわかせながら,医科歯科連携の重要性を伝えていただきました.歯科衛生士セッションでも,歯周組織の炎症が全身の各臓器にあたえる影響について解説いただき,歯周病の妊婦に対する影響や誤嚥性肺炎に対する影響などとともに周術期口腔機能管理における看護師や歯科衛生士の役割などについて述べていただきました.

認定衛生士限定CECプラチナム講演は残念ながら,一部の演者が広島に到着できず,中止となりましたが,Dr. Paul Rosenによる認定医限定プラチナ講演会は,インターネット回線を利用した遠隔操作で予定どおり開催することができました.ポスターセッションについても可能な演者については,データをネットを通して送っていただき実行委員会側で印刷,掲示することで対応しました.

市民フォーラムは,「病は口から〜糖尿病・認知症と歯周病との深〜い話」と題して,歯科医師,医師.看護師それぞれの立場から歯周病と糖尿病や認知症との関連性を約250名の一般市民に対して,とてもわかりやすくユーモアをまじえて,解説していただきました.

また,大会初日終了後にリーガロイヤルホテル広島で開催された懇親会も,悪天候の中250名もの関係者の皆様方にご参加いただき,たいへん盛り上がりました.特に今回の懇親会の催し物である「神楽」は日本神話などを題材とした伝統芸能であり,特別,海外からの招待者の興味を引いていました.

今回は,未曾有の悪天候のため,開催日程を半日遅らせ,土曜日の午後からの開催とし中止となった講演もありましたが,8割がたの講演を行うことができました.これも本会の役員,委員の先生方,協賛企業の皆様,後援団体の方々など,多くの皆様方の惜しみないご支援.また,交通事情が悪い中,最後まで広島を目指して,向かっていただいた多くの会員,演者の皆様方の熱い思いに助けられたものだと感じております.心から御礼申し上げます.

最後になりましたが,この度の西日本をおそった記録的な豪雨に際し.被災されました皆様ならびにそのご家族の方々に衷心よりお見舞い申し上げます.

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 浦野智理事長挨拶

2018.7.7 浦野智理事長挨拶

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 歯科医師ケースプレゼンテーション

2018.7.7 歯科医師ケースプレゼンテーション

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 歯科衛生士ケースプレゼンテーション

2018.7.7 歯科衛生士ケースプレゼンテーション

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 歯科医師、歯科衛生士合同セッション

2018.7.7 歯科医師、歯科衛生士合同セッション

フェニックスホールにて

※写真:左から西田先生、古川先生、高田先生

①慢性歯性感染症と全身の健康- P. gingivalis の歯性感染と非アルコール性脂肪性肝炎

高田 隆(広島大学学術院(医歯薬保健学研究科)口腔顎顔面病理病態学教授)

②歯周病と糖尿病との関連性~さらなる連携の必要性~

古川 慎哉(愛媛大学大学院医学系研究科疫学・予防医学講座准教授)

③症制御を通して糖尿病治療に貢献するこれからの臨床歯周病学

西田 亙(にしだわたる糖尿病内科院長)

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 AAP会長挨拶

2018.7.8 AAP会長挨拶

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 歯科医師セッション②

2018.7.8 歯科医師セッション②

【座長】林 千絵先生(関東支部)

西村 英紀先生(九州大学歯学研究院口腔機能修復学講座歯周病学分野)

小林 哲夫先生(新潟大学医歯学総合病院 歯科総合診療部)

山崎 和久先生(新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔保健学分野)

丹沢 秀樹先生(千葉大学大学院医学研究院 口腔科学講座)

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 インターナショナルセッション

2018.7.8 インターナショナルセッション

【座長】中田 正樹先生(中国四国支部)/ 藤本 浩平先生(関東支部)

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 歯科衛生士セッション②

2018.7.8 歯科衛生士セッション②

【座長】大江丙午先生(中国・四国支部)

講師

高柴 正悟先生(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野)

藤田 百合子先生(広島市立病院機構広島市立広島市民病院救命救急センター)

倉本 祐里先生(広島大学病院診療支援部歯科衛生部門)

滝川 雅之先生(医療法人緑風会 ハロー歯科)

日本臨床歯周病学会第36回年次大会 閉会式  岩田光弘先生

2018.7.8 閉会式 岩田光弘先生

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