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理事長の挨拶

理事長の挨拶 NPO日本臨床歯周病学会理事長    宮本 泰和

理事長 宮本 泰和

はじめに、3月11日に発生しました東北・関東大地震により亡くなられた多くの方のご冥福と、被災された多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。そして、被災地の一日でも早い復興をお祈り申し上げます。本学会としても、一致団結して早期の復興に向け、全力で支援していく所存であります。

さて、この度、平成23年4月1日より、谷口威夫前理事長に引き継ぎ、日本臨床歯周病学会の理事長に就任しましたので、ご挨拶を申し上げます。

歯周病は日本人成人の約80%が罹患しており、歯の喪失原因の第一位になっています。
まさに国民病とも言える歯周病から歯を守るために、わが国では2つの大きな学会が活動しています。その一つは、歯科大学が中心となり、研究や教育を主体とした活動をしている日本歯周病学会です。そして、もう一つは我が日本臨床歯周病学会であり、開業歯科医が中心となり、主に臨床の治療技術の向上を目的として活動しています。日本における歯周病への取り組みは、両学会が協調し、先導的な立場となって行なわれており、治療技術の向上、歯周病予防の啓蒙、新たな治療法の研究、学生教育、さらには歯周病専門医の育成など、様々な活動を通して歯周病から国民を守るために努力しています。
日本臨床歯周病学会の目的は、「歯周治療の研鑽を通じて歯科臨床の向上に努め、もって国民の健康、福祉の増進に寄与すること」です。本学会の会員は、ほとんどが開業歯科医であるので、臨床の最前線で歯周病と戦い、国民の口腔ならびに全身の健康の増進に直接貢献できると考えています。本学会は1983年に設立され、当初は数十名の会員でしたが、国民の歯周病への関心の高さが増加するにつれて会員数も増加し、いまや3000名を超えんとする学会に成長しました。今後も、一人でも多くの情熱を持った歯科医・歯科衛生士に参加していただき、日本の歯周治療のレベル向上に向けて努力していきたいと思います。

本学会の今後の活動に関しては、会員の皆様と協力して、次のような項目に重点をおいて活動したいと考えています。

1. 年次大会、支部教育研修会の企画の充実
本学会における会員の目標は、歯周治療の臨床における治療レベルの向上であると思います。会員が治療技術や学術的知識を獲得できる環境を作ることが、本会の執行部の最重要課題と考えます。会員にとって「より魅力ある学会」を目指して、年次大会、支部教育研修会の企画を考えたいと思います。また、支部間交流をさらに活性化させ、他支部からの講師の招聘などもスムーズに行えるようなシステムを整備していきたいと思います。

2.歯周病患者におけるインプラント治療のガイドラインの作成
近年、インプラント治療におけるトラブルが頻繁に見られるようになり、とくに歯周病患者における併発症のリスクが高くなっていると報告されています。このような状況に対応するため、本年3月に本学会のペリオインプラント委員会が中心になって編集された著書「歯周病患者におけるインプラント治療の実践」が出版されました。今後も、引き続き、インプラント治療における歯周病学的配慮に関するガイドラインを整備していく必要があると考えます。

3.日本歯周病学会(JSP)との連携
今まで以上にJSPとの相互交流を深めたいと考えています。基礎と臨床が結びつくことにより、より質の高い研究成果や臨床技術が得られるものと確信しております。また、昨年度より始まった衛生士合同研修会も継続して行いたいと思います。

4.国際交流の推進
本学会では、米国歯周病学会(AAP)、台湾歯周病学会(TAP)などと積極的な国際交流を行ってきました。国際交流の推進は、治療技術の研鑽だけでなく、海外から見た日本の歯科医療のあり方を考える機会を作るという点で大変意味深いことであると思います。

5.学術的根拠の提供体制の確立
前執行部から継続している学術調査を推進し、歯周治療の重要性をさらにアピールできるような学術的根拠を作れるよう努力します。

歯科界は今、歯科医療費抑制、歯科医師過剰、景気の低迷など、様々な問題に直面しており、開業医の医業経営に厳しい状況となっており、良質な歯科医療の提供に大きな不安を抱えています。個々の歯科医が治療技術の研鑽を行うことこそが、この厳しい時代を乗り切っていく最も重要な戦略であると思います。日本臨床歯周病学会が治療技術や学術的知識を提供できる環境を作り、会員全員が国民から信頼される歯科医となれるよう、全力を尽くしていきたいと思っております。