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理事長挨拶

理事長所信

特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会 理事長 武田 朋子

理事長 武田 朋子

特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会は昭和58年4月に歯周病談話会として発足し、今年で37年を迎えます。初代会長、故川崎先生から前理事長 浦野智先生まで名だたる臨床医が会長、理事長の任にあたり、歯周治療の向上を目指し、今では4700名を超える学会へと育ててくださいました。発足当時から連綿と受け継がれて来た「1枚のレントゲンから膝を突き合わせて歯周治療を学び、歯周治療の向上を目指す」という理念は、真に国民の健康増進を目指すことであり、今後の学会事業の根幹として引き継がなければならないと思っています。改めて、この様な歴史ある学会の理事長を拝命することは身に余る光栄であり、その重責に身の引き締まる思いです。

今後も本会がさらなる躍進ができる様、新理事の先生方のお力をいただきながら、本会ならではの事業展開へ向けて、邁進する所存です。

【国民の健康増進への寄与】

昨年、本会では国民の皆様に歯周病をご理解いただくために、年次大会では市民フォーラムをまた、東北支部主催の市民公開講座に加え、全国道の駅連絡協議会の協力のもと長野県佐久市「ヘルシーテラス道の駅」でも市民公開講座を開催することができました。この国民への情報発信は現場で歯周治療に当たっている我々にとり、「今ある歯を歯周病から守る。」ため更に広げていかなければならない事業と捉えています。

一人でも多くの国民が歯周病を正しく知ることが歯周治療の重要性を理解していただく近道と考えます。また、ここ数年問題となっているインプラント周囲炎に対しても現在わかっている病態と治療法を正しく国民へ伝えるのは、本会の役割であります。そのためには歯周インプラント認定医制度の存在を知らしめる必要があり、現在の活動に加え、広くは各メデイアからの発信、また草の根的には各地「道の駅」で市民公開講座の開催を企画し発信の場を増やすことが重要です。その折のツールとしてすでに出版されている「日本人はこうして歯を失っていく」の周知と新たな国民向け啓発書の発刊を目指したいと考えています。

こうした取り組みは本会会員が日々、国民の健康増進のために研鑽しているということを広く国民の皆様に伝えることに繋がると信じています。

【学術団体としての取り組み】

本会は会員の殆どが臨床医で構成されている稀有な学会です。臨床という現場で活躍しながら積極的に学会へ参加している会員に対して、学会として学術的側面からサポートをしなければいけません。2009年より学術委員会が中心となり、わが国の歯周病の実態やインプラントの状況を把握するため歯周病実態調査を行いました。その結果は学会ホームページに「歯周病の症状を主訴として来院した者の実態調査」として掲載されております。年代別歯周病の状況、喫煙や全身疾患の関係、またインプラントの本数と部位についてなど、興味深い結果が出されており、会員が歯周病や歯周治療の実態を把握でき患者への啓蒙材料にもなっています。しかし、初診時のみの調査であったため、各治療段階のデータ集積や、また現在、問題となっているインプラント周囲炎に関しては、新たな実態調査の必要性を感じております。今年度より、学術委員会の協力のもと取り組んでゆくよう準備させていただく予定です。また、リグロスの保険収載に伴い、浦野執行部のもと、学術委員会で取り組んだ「リグロスを応用した再生治療100症例」について、札幌で開催される第37回年次大会でまずは指導医の先生方への講演が予定されています。多くの臨床家が集う本会だからこそ、成し得る大規模臨床症例報告です。各支部でも順次報告するようにいたします。

その他、年次大会の場では従来のケースプレゼンテーションに加え、今年で3回目となる「認定医限定プラチナム講演会」「専門医への道」また、「認定歯科衛生士への道」と本会認定関連講演会が開催されます。認定制度とは歯周治療に対して専門的知識と技術を有する歯科医師、衛生士の育成を目的とする、学会の根幹をなす事業の一つです。昨年度まで「認定医」「歯周インプラント認定医」「認定歯科衛生士」の認定審査を各委員会で行ってきましたが、今年度から審査の整合性を保つために認定審議委員会を設立し各認定審査の一本化を測ります。

【さらに世界を目指す 国際活動の推進】

2018年バンクーバーにおいて第104回AAP年次大会:AAP/JACP/JSP共催大会は本会が主導的立場で共催をした初めての国際大会となり、お陰様で盛会理に終了することができました。また、2020年のハワイ大会でも共催大会の開催が予定されております。ハワイという土地柄、多くの会員が参加され、本会会員の活躍を応援していただきたいと思います。こうしたAAP大会に出席し、常々私は日本の歯周治療は世界に引けを取らないレベルにあると自負しておりましたが、他のアジア諸国と比べて言葉の問題があることも見逃すことはできないと感じていました。以前、私は友好関係にあるTAPで発表する機会を得ましたが、その折は、Q&Aは台湾語でなされ、通訳が必要な状態でした。しかし、その後、年を重ねるごとに講演も全て英語でされ、若い歯科医師が躊躇なく質問するようになっていました。その時英語ができるという事はいち早く情報を取ることができ、しかもいち早く実力を世界に届けることができると強く感じました。

本会会員の真の力を世界に発信するには、英語に触れ合う機会を増やす必要があります。日常的に英語での発表をするようになれば、海外学会へのトライアルに不安を抱くことも無くなります。本年、北海道支部と国際交流委員会の協力のもと、札幌年次大会で通訳なしの海外セッション(International Session)を設けることができました。このような機会を増やしていくことは本会を世界的な臨床学会へと成長させていくことにつながると思います。

以上、現在進行中の事業、「AAP/EFPの新分類翻訳」また「歯周病患者へのインプラント治療の実際―その現状と課題を踏まえた治療方針―」(仮題)の出版も控えていますが、この2年間で私が実現させたい事業の概略をお話しさせていただきました。実現に向けては各委員会への会員各位の協力がなくてはなりません。私自身、理事長として誠心誠意、務める所存です。改めてご理解の上、ご協力をお願いし、理事長挨拶とさせていただきます。

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