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理事長挨拶

特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会
第13代理事長 石谷 昇司

理事長 石谷 昇司

令和7年4月より第13代理事長に就任いたしました石谷昇司と申します。就任に伴い、皆様へご挨拶を申し上げます。

日本臨床歯周病学会は、川崎仁先生が初代代表幹事となり1983年に臨床歯周病談話会として発足、健康保険に歯周病治療の導入を提案するなど、日本の歯周治療の発展の一翼を担ってきました。その足跡については、特設サイトであるJACPの歩み(https://40th.jacp.net/)を御覧いただきたく存じますが、設立から40年を超え、日本歯科医学会認定分科会へ2007年度より加入しております。

その40年で歯周治療に求められる役割が変化してきております。

本会が発足した1983年当時はまだまだ歯周治療が一般に普及しておらず、抜歯して欠損補綴治療によって咀嚼機能を回復し食事をできるようにする「治療中心型」の歯科治療が主に行われておりました。歯周治療という存在を広く国民へ啓発できたことは、本会が果たした大きな役割のひとつだったと思います。

歯周病は、ペリオドンタル・シンドロームとも呼ばれる全身的な疾患との関連が指摘され、さらに歯周病はただ歯を失うだけではなく、栄養状態が低下し心身機能の虚弱(フレイル)と口腔機能低下(オーラルフレイル)を引き起こし、誤嚥性肺炎を関与することが示唆されています。

誤嚥性肺炎は、超高齢社会へ突入している現在の日本において高齢者死亡原因の上位を占め、その対応が求められております。これらを踏まえ、歯科治療の需要の将来予想として、口腔機能の維持・回復をめざす「治療・管理・連携型」歯科治療の必要性が増すと予想されています。

そして、歯の抜歯原因の実に37%が歯周病とされています。

つまり、歯周病を治療することは、歯を保存して咀嚼機能を維持することで健康寿命延伸に寄与することであり、さらに糖尿病を始めとする全身疾患およびフレイルの予防・状態改善が期待でき、まさに「治療・管理・連携型」歯科治療の中心になる分野であると考えております。

そして、一番重要なことは、これらの歯周治療を地域医療で支えるのは、開業医および歯科衛生士の役割であるということです。本会の最大の特徴は開業医の歯科医師および歯科衛生士により構成された学会であり、地域医療において求められる歯周治療専門家として、多くの会員を養成をすることが本会のこれからの重要な役割となると考えております。

現在、会員数は5,481名(2024年12月31日時点)となり、国民の皆様の豊かで健康な国民生活の増進に寄与することを目的に日夜研鑽を積んでおりますので、歯周治療を受ける際には、本会会員の歯科医院を受診してください。また、地域の医療機関からのご紹介もぜひご相談いただければ幸甚に存じます。

本会は「臨床」を冠した学会であり、歯周治療を通じて、皆様の豊かで健康な生活の増進に寄与するという目的のさらなる達成のため、邁進する所存でございます。

皆様のご理解ご協力を賜りますよう、2年間どうぞよろしくお願い申し上げます。

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