
第110回アメリカ歯周病学会 JSP-JACP共催年次大会参加報告
去る10月30日から11月3日までAAP/JSP/JACP共催大会がアメリカ、サンディエゴで開催されました。JSPとJACPからは200名(現在集計待ち)近い参加者が集まり大いに盛り上がりました。そこで本会に関係のある内容を中心に報告します。

10月31日(木)
1.9th Pan Pacific Session
今回のテーマは「Innovative approach in Periodontics and Implantology」。
本会理事長の木村英隆先生のOpening remarksに始まり、TAP2名の講演、JSP前川祥吾先生の講演に引き続いて、第2部は私、谷口崇拓がModeratorを務め、JACPからは辻翔太先生(関西支部)が「Interproximal attachment gain in aesthetic zone: Impact of tissue engineering concept」、工藤求先生(関東支部)が「Periodontal Regenerative therapy Assisted with Digital Aligner Orthodontics」という演題でそれぞれレベルの高い講演をされました。会場は満席となるほどの賑わいとなり、AAPからのゲストスピーカーのDr. Philip Kang(コロンビア大学)も含め6名の講演はどれも大変好評で、AAPの執行部にもPPSの存在意義を更に認知していただくこととなりました。今回はこれまでの近隣ホテル会場ではなくコンベンションセンターにしたことも一つの盛況の要因であります。次回のPPSもコンベンションセンターでの開催となると思われ、JACP/TAP主催のイベントとしてより広く認知されていくでしょう。

辻翔太先生の講演

工藤求先生の講演

会場の聴衆の様子

SpeakerとModerator
2.Leaders Lunch
PPS後には(株)モリタ様のスポンサーでJACP、JSP、TAPのリーダーとSpeakerがランチを楽しみながら親睦を深めました。

3.Corporate Forum
本会元理事長の二階堂雅彦先生(関東支部)がGCの後援で「Cytrans Granules: My Clinical Experiences Over Years」という演題で、友人であるDr. Paul Rosenと共に講演されました。会場は満席で熱気溢れるセッションとなりました。

11月1日(金)
1.AAP/JSP/JACPビジネスミーティング
各学会の代表者によるビジネスミーティングが開催され、全員の自己紹介の後、それぞれの学会から報告と今後の予定、次回の共催大会についての確認があり、最後に記念写真を撮影し解散となりました。

2.セッション
午後にはFCE1: Straighten Up: An Update on Accelerated Tooth Movementにおいて浦野智先生(関西支部)と矯正専門医である有本博英先生が「Bridging Disciplines: Interdisciplinary Insights on Accelerated Tooth Movement」という演題で日本人の演者ではこれまでにあまりなかった画期的なInterdisciplinaryの講演をされました。

また、同時刻にはFCE3: Avoiding and Managing Sinus Complicationsにおいて辻翔太先生(関西支部)がModeratorを務め、梅村匠先生(関東支部)が「Minimally Invasive Management of Sinus Membrane Perforations Using PRF, AFG and Microscopic Techniques.」という演題でメインホールにて講演されました。

更に同時刻の別会場IP2: Advances in Periodonticsでは安増一志先生(九州支部)がModeratorを務め、私、谷口崇拓(関東支部)がSpeakerとして「Transcrestal Sinus Floor Elevation Using Various Techniques and Materials」という演題で講演しました。

JACPからのSpeaker3人が同時刻であったため、私は聞きにいくことが出来なかったのですが、どの講演も大変好評であったとのことです。
3.Perio Samurai Night
(株)モリタのスポンサーによりSally's Fish House & Barにおいて盛大に開催されました。アメリカや台湾の招待者を含め多くの参加者で賑わい、美味しい食事と飲み物を片手に大変な盛り上がりであっという間に2時間が経過しました。主催と準備をしていただいたモリタ様には感謝申し上げます。

11月2日(土)
1.JSP/JACPポスターセッション
お昼時に行われたポスターセッションは多くの人で賑わいました。本会からは症例報告部門、DH部門の発表があり、審査員や訪れた方との活発なディスカッションが行われ熱気に満ち溢れていました。
2.セッション
午後のFCE5: Peri-Implant Soft Tissue Managementでは和田圭祐先生(中国四国支部)がModeratorを務め、松井徳雄先生(関西支部)が「Peri-implant soft tissue management for long-term tissue stability」という演題で講演されました。会場は満席となり2つのサテライト会場が設けられるほど多くの聴衆を引き付ける講演でありました。

3.JACP主催ディナークルーズ
今回、初のJACP主催の企画であるディナークルーズは120名を超える参加者の大盛況となりました。あいにくの雨でしたが、クルーズ船のメインフロアを貸し切りにして木村理事長の挨拶、JSP沼部理事長の乾杯のご発声に始まり、参加者の皆様はディナーとサンディエゴの夜景を楽しんでいました。後半にはDJの音楽に合わせてダンスや当日が元理事長の二階堂先生の誕生日であったことも重なり誕生日祝いをして楽しいひと時となりました。バーカウンターが込み合ってしまったことなど不手際がありましたが、どうにか無事終えることが出来ました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。また、協賛いただいた((株)ヨシダ様、(株)メディカルプログレス様に御礼申し上げます。



11月3日(日)
午後のGeneral Sessionでは清水宏康先生(関東支部)がModeratorを務め、築山鉄平先生(九州支部)、木戸淳太先生がGS6: Interactive Multidisciplinary Clinical Approaches to Anterior Missing Teeth – What You See is Not What You Getにおいて「Unlocking Ankylosis: Integrated Solutions in Periodontics, Orthodontics, and Prosthodontics」という演題で、こちらも新しい試みとなる歯周病専門医と補綴専門医による講演をしました。
最終日のGeneral Sessionは会場が閑散としていることが多いのですが、その期待の大きさから多くの聴衆が会場に足を運び「チーム福岡」として登壇した2人の講演に聞き入っていました。

今回はJSPが主体であった共催大会ですが、様々なご配慮をいただきJSPと同数のModeratorとSpeakerが登壇し、多くのJACP会員の参加とポスターセッションの発表と参加によって大変盛り上がった大会となりました。参加者の皆様、関係者各位の皆様には大変感謝しております。

AAP/JSP/JACP準備委員会:JSP吉村篤利教授、クラーブ孝子様、私
次回の共催大会はJACPが主体となり2026年シアトルにて開催されます。より多くの皆様の参加を期待しています。