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第81回関東支部教育研修会

2018年9月

東京医科歯科大学鈴木章夫記念講堂にて日本臨床歯周病学会第81回関東支部教育研修会がシンポジウム『はじめよう歯周ー矯正治療』をテーマに開催されました。当日は約270名の参加者があり、午前中は会員3名による症例発表が行われ、まず慶應病院中山先生はアムロジピンによる著しい歯肉増殖を伴った症例に対し、いきなり抜歯をするような口腔内を急激に変化させるより、初期治療によるモチベーションの維持、メインテナンスにより、非外科で対応していく重要性を伝え、続く安藤デンタルクリニックの安藤先生は動揺歯の安定に際し、二次性咬合性外傷のリスクをどう軽減させるかを発表した。午前ラストの長野県の馬場歯科医院の馬場先生は29才という若さで侵襲性歯周炎を罹患した患者に対し、Hopelessな歯に対し、急性期はレントゲン上骨基質からカルシウム塩が溶解するため、透過性が増して見えることより、Gentleなルートプレーニングで保存に努め、その後10年間メインテナンスで良好に経過したという長期症例を報告された。

午後は東京医科歯科大学歯周病分野で同時期に切磋琢磨されていた3名の歯科医師が壇上に上がり、まず千葉県市川市、土岡歯科医院の土岡先生が『天然歯を保存するための歯周ー矯正治療』と題して重度の歯周病により病的歯牙移動を起こしている歯に対し、矯正治療を組み込むことにより、メインテナンスが行いやすくなる環境を作ることの重要性を説き、続く吉野歯科医院吉野先生が『矯正学的分析を応用した歯周インプラント治療』と題した重度歯周病により歯を失い臼歯部の咬合支持が喪失している症例に、インプラント補綴を含めた治療計画を立案していくに当たって、セファロ分析を行い、症例ごとに適切な咬合平面や咬合高径からインプラントポジションを決め、顎顔面に調和した咬合面を再構成をする重要性を伝えた。最後のプリズムタワー工藤歯科医院の工藤先生が『審美的なゴールを目指した歯周病患者の歯周矯正治療』と題して、歯周炎患者への矯正治療を歴史的に振り返り、重度の歯周病でかつ審美的な仕上がりが要求されるいくつかの症例に対してどのように包括的なアプローチを行っていくかの努力の奇跡を話し、最後に歯周矯正研究会POP発足の紹介を行うという演者の熱の伝わる非常にエモーショナルな講演であった。

以上、関東支部活動報告とします。

(文責:関東支部広報担当 木村文彦)

第81回関東支部教育研修会

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