医療従事者の皆様へ > 活動報告

活動報告

九州支部 活動報告

活動報告一覧

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

2022年3月

九州支部 力丸哲哉 瀬戸泰介

2022年3月6日(日)に日本臨床歯周病学会(JACP)第2回九州支部教育研修会が、福岡市博多区パピヨンプラザガスホールにて開催された。

最初にJACP九州支部の支部長である安増 一志先生(福岡県開業)より、コロナ禍にもかかわらず何とか(対面開催+オンデマンド配信)のハイブリッド開催を行うことが出来たことへの感謝の言葉を述べ、開会のご挨拶とされた。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

今回は、約2年ぶりの対面開催も行い、臨場感のある講演を拝聴することが出来た。同時に、オンデマンドによるweb配信を行うことになっており、聞き逃してしまった内容も後日確認することが可能である。会員発表・Dr&DHコラボ講演ともに、先進医療と基本的な治療の両方を学べるいい機会となった。

【会員発表】

久木田 大先生(熊本県開業)が「低侵襲型フラップの実践」という演題で発表された。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

まず従来型(エクステンドフラップ)と低侵襲型のフラップデザインのコンセプトの違いを説明された後、低侵襲型一次創傷治癒達成のためのポイントを述べ、写真や動画などを用いながら丁寧に低侵襲型歯周外科の術式について解説された。

続いて、江上 圭先生(福岡県開業)が「血餅を安定させるための切開ラインを考える」という演題で発表された。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

歯周組織再生療法には、血餅の安定と再生の場が確保されているかが重要であると述べた。M-VISTAやM-MIST、EPPTなどの症例を提示して詳しく解説された。

最後に、石橋 貴樹先生(鹿児島県開業)が、「高齢者におけるメインテナンスリコールの重要性」という演題で発表された。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

全顎治療を行った後、高齢患者の体調が悪化し入院して来院が出来なくなったとしても、メインテナンスを継続することで10年以上経過良好な症例を提示された。

【Dr&DHコラボ講演】

・高田 光彦先生、髙橋 規子さん(兵庫県開業)は、「デジタルコミュニケーションが加速する中でアナログの重要性を再考する」という演題で講演された。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

マイクロスコープで撮影した動画記録を患者教育に役立てていた。また、規格性のある口腔内写真撮影の重要性と撮影方法を詳しく説明された。OHIに関しても、IOSを利用したブラッシング指導法を紹介された。また、パノラマ写真の撮影方法に関しては、診断できるきれいな撮影画像の重要性を述べられた。口腔内カメラ、マイクロスコープ、IOSなど最先端の機器を用いた口腔内診査では、象牙質まで進行したクラックなどの見落としがちな所見に対しても早期に発見することが出来、破折などの危機を回避することが非常に大切であると述べられた。

・牧野 明先生、中村 友莉夏さん(富山県開業)は、「歯周基本治療で治る!歯周基本治療で治す!」という演題で講演された。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

確実に結果を出すためは、歯科衛生士のスキルアップ、院内の教育システムの構築、仕事を楽しむためのモチベーションアップなどが重要だと述べられた。講演では、質の高い歯周基本治療の臨床例を数多く提示していただいた。歯石のつき方や性状、根面の粗造感を確認した後、「乾いた歯肉」の状態でルートプレー二ングを行えば、麻酔しなくても痛みは軽減するとのことだった。また、歯周治療を行う上で、経過観察の定点観測のX線写真に関しては、規格性(同じ照射角・濃淡)の重要性について述べられ、歯槽骨頂線・骨梁・歯槽硬線の変化など見るべきポイントを具体的に示して頂いた。歯の自然移動を応用した症例も紹介された。

最後にJACP九州支部の副支部長である中富 研介先生(福岡県開業)が閉会の辞を述べられた。

令和3年度第2回九州支部教育研修会レポート

過去情報を見る
ページの先頭へ
Copyright © The Japanese Academy of Clinical Periodontology. All Rights Reserved.